宇都宮市のA様から外装のメンテナンスのご相談が有りました。
現在お住まいの住宅は、約築30年程の木造住宅です。
外壁はパワーボード「へーベルライト」
軒天はその当時流行りの木製の化粧軒天材
屋根は三州瓦で雨樋と板金は銅板
を使用していました。
【今回の主なご相談の内容】
1、外壁を触ると白い粉が付くので塗りなおしをしたい。
2、軒天材の化粧べニアが剝がれてきたので張り直したい。
3、雨樋に穴が開いていているのでで丈夫な物に変えたい。
4、屋根の訪問業者から壊れていると言われたので調べたい。
【既存の写真です】
西側面の工事前の全景です。塗膜は痛んでいましたが、汚れなどは少なくそこそこ綺麗な状態でした。
化粧軒天材です。基材は薄いべニアを、複数枚張り接着剤で貼り合わせて成型している為、接着剤の寿命来てべニアの分離が始まっています。
銅板性の雨樋です。酸性雨の影響でしょうか、腐食していて穴が開いています(テープで補修されているようです)。
【工事作業状況です】
『軒天改修の作業』
軒天は珪酸カルシウム板を上張りで仕上げます。
当初の計画では、既存を全て撤去と考えておりましたが、部分的に下地を入れれば問題無いと判断させて頂きました(解体撤去費用が必要なくなりました)。
『塗装工事の作業状況』
外壁の水洗い洗浄後に、塗装しない部分に養生をしていきます。
軒天を塗装しています。
外壁の中塗りをしている状況です。
今回採用しました塗料は、関西ペイント社製の『セラMシリコンⅢ』になります。溶剤系の2液タイプのシリコン塗料なので長期間美観が保たれます。
【雨樋に使用する材料】
雨樋はパナソニック社製の『アイアン』を使用致します。こちらの商品の素材は、芯材は鉄板(亜鉛メッキスチール材)で出来ており、表層は硬質塩化ビニール樹脂でラミネートされていますハイブリッド商品です。心材が鉄板(亜鉛メッキ鋼鈑)なので強度が有り、表層をビニール樹脂で覆う事で錆の発生を抑えられます。
【屋根瓦の補修作業状況です】
既存の隅棟の状況です。漆喰などの欠落が少ないのですが、地震のせいなのでしょうか?少し並びが歪んでいます。
隅棟部分の歪みを調整しています。
棟の取り合い部分の隙間は、漆喰で補修します。
担当者から一言
担当:知久洋紀
最近では和風住宅が少なくなってきたせいなのか、流行の建物のデザインに合わないせいなのか、外壁材に『ヘーベルライト』を採用しているお住いをお見掛けする機会が少なくなってきた感じがします(自分だけかも?)。
今回点検させて頂いて改めて感じた事ですが、30年以上経過している建物なのに、外壁材自体に割れや劣化なのが殆ど無いので、再塗装を行うと新築時の状況とほぼ変わらない感じで再現されます。
また、素材は厚さ50mmの軽量気泡コンクリート製で出来ているので、断熱性能や遮音性能・防音性能などにも優れています。ヘーベル製の住宅にお住いになられている殆どの方が、静かで快適だと話されます。
私的にも非常に良い製品だと思いますので、更なる進化を望みたい物です。