2024年は、内窓の設置、玄関・勝手口ドアの交換、天井や床の断熱など、補助金を活用した断熱リフォームを行ってきました。その際、毎回断熱リフォームについて説明する機会がありました。そこで、2025年度の新しい補助金を活用したリフォームに向けて、改めてその内容をまとめました。

中古住宅は寒い!3種類の断熱リフォームで快適な住まいに

冬になると家の中が寒く、暖房をつけてもなかなか暖まらないと感じる方は多いのではないでしょうか。特に中古住宅は断熱性能が低いことが多く、窓や壁、床、天井から熱が逃げやすいため、暖房を使用してもすぐに冷えてしまいます。寒暖差が大きい地域では、家の中でも温度差が生じやすく、不快感を覚えることも少なくありません。また、寒い住環境はヒートショックのリスクを高め、健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。

そこでおすすめなのが断熱リフォームです。適切な断熱工事を施せば、冬は暖かく夏は涼しい快適な住まいを実現でき、光熱費の節約にもつながります。また、結露を抑えてカビやダニの発生を防ぐことで、家の寿命を延ばしながら健康的な室内環境を維持できます。

さらに、国や自治体の補助金制度を活用すれば、窓の交換や玄関ドアの断熱改修などをコストを抑えて行うことも可能です。中古住宅の寒さ対策として、断熱リフォームを取り入れ、快適な暮らしを目指してみませんか。


断熱リフォームの3つの方法

断熱リフォームには、主に「窓の断熱」「部屋だけの断熱」「家全体の断熱」の3種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

1. 窓の断熱(手軽に寒さ対策)

家の中で最も熱が逃げやすいのが窓です。実際に、冬場の熱の約50~60%は窓から流出すると言われています。そのため、窓の断熱リフォームは最も手軽で効果的な方法のひとつです。

主な窓の断熱方法

  • 内窓(2重窓)の設置:既存の窓の内側にもう1枚窓を取り付けることで、断熱効果を高めます。
  • ガラス交換:断熱性能の高いLow-E複層ガラスなどに交換することで、熱の流出を防ぎます。
  • 断熱フィルムの貼り付け:低コストで手軽にできる方法ですが、効果はやや限定的です。

窓の断熱だけでも寒さ対策としては大きな効果がありますが、さらに快適にするには建物全体の断熱も検討すると良いでしょう。

窓のリフォーム補助金の活用

窓の断熱リフォームには、国や自治体の補助金が利用できることがあります。たとえば、「先進的窓リノベ2025事業」では、内窓の設置やガラス交換に補助金が出ることがあります。活用することで、費用を抑えながら効果的なリフォームが可能です。


2. 部屋だけの断熱(費用を抑えて部分的に改善)

家全体のリフォームは難しいけれど、特定の部屋だけでも暖かくしたいという場合には、部屋単位の断熱リフォームがおすすめです。

部屋の断熱方法

  • 壁の内側に断熱材を追加する(内張断熱)
  • 床や天井に断熱材を施工する
  • 断熱性能の高いドアに交換する

リビングや寝室など長時間過ごす部屋を重点的に断熱すれば、部分的に快適な環境を作ることができます。

玄関ドア・勝手口ドアの断熱リフォームと補助金

玄関ドアや勝手口ドアも外気に面しているため、断熱性能の高いドアに交換すると効果的です。特に、「玄関ドアリフォーム補助金」を活用すると、負担を軽減しながら快適な住まいを実現できます。最新の断熱ドアは気密性が高く、結露防止にも役立ちます。


3. 家全体の断熱(最も快適&省エネ)

中古住宅を長く快適に使いたいなら、家全体の断熱リフォームをおすすめします。家全体を断熱すると、寒さを大幅に軽減し、暖房費も節約できます。

家全体の断熱方法

  • 外壁の断熱工事(外張り断熱):建物の外側に断熱材を張ることで、家全体の断熱性能を向上させます。
  • 床下や天井裏に断熱材を施工
  • 窓や玄関ドアを断熱性能の高いものに交換

初期費用はかかりますが、光熱費の節約や住み心地の向上を考えると、長期的にはお得になります。また、適切な断熱を行えば新築住宅よりも快適な住まいを手に入れることも可能です。


浴室や洗面所の断熱リフォームの注意点

浴室や洗面所は水回りであり、冬場に特に冷えやすい場所です。そのため、断熱リフォームを行う際には玄関や廊下との温度差にも注意する必要があります。

重要なポイント

  • 浴室や洗面所を暖かくしても、玄関や廊下が寒いとヒートショックのリスクが高まる
  • 玄関や廊下とつながっている場合は、玄関ドアや廊下のサッシの交換も検討する
  • 脱衣所やトイレの断熱・気密性も向上させることで、家全体の温度差を減らす

ヒートショックとは?

ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が大きく変動し、心臓や血管に負担をかける現象のことです。特に高齢者は、寒い廊下から暖かい浴室に移動した際に血圧が急変し、心筋梗塞や脳梗塞を引き起こす可能性があります。

ヒートショック対策

  • 浴室だけでなく、脱衣所や廊下の断熱も考慮する
  • 玄関ドアや勝手口の断熱性能を高める
  • 浴室暖房を設置する
  • サッシを交換し、窓の断熱を強化する

まとめ:中古住宅の寒さ対策には断熱リフォームがおすすめ

中古住宅は寒さを感じやすいですが、適切な断熱リフォームを行えば快適な住まいに生まれ変わります。

ポイントをおさらいすると…

  • 手軽に改善したいなら「窓の断熱」
  • 特定の部屋を快適にするなら「部屋単位の断熱」
  • 長期的に考えるなら「家全体の断熱」
  • 浴室や洗面所の断熱をするなら、玄関ドアや廊下の断熱も忘れずに

また、窓の断熱や玄関ドア・勝手口ドアの交換には補助金を活用できるため、費用負担を抑えながらリフォームが可能です。特に窓の断熱は最も手軽で効果的なので、まずはここから始めてみるのも良いでしょう。

さらに、家全体の断熱リフォームをすれば、新築よりもお得で快適な住まいを手に入れることも可能です。断熱リフォームを検討している方は、ぜひ専門業者に相談し、補助金制度を活用しながら最適なリフォーム計画を立てましょう。