自宅の外壁の汚れやヒビ割れが目立ち始めたとき、「そろそろ外壁塗装の時期なのだろうか」「本当に今塗装が必要なのか」と疑問に思われる方が多いでしょう。建設関連の業者からおすすめされても、その必要性や適切な時期について判断に迷うかもしれません。
事実、外壁塗装は住まいを守るために欠かせないメンテナンスですが、タイミングを誤ると無駄な出費になる可能性もあります。
本記事では、外壁塗装の必要性を判断する具体的な基準や、工事にかかる費用相場、工程の流れまでを詳しく解説していきます。ご自宅の外壁状態を正しく把握し、適切な時期に塗装を行うことで、建物の寿命を延ばし資産価値を維持しましょう。
外壁塗装がまだ必要でないと言われる理由とは?
外壁塗装の必要性について専門家に相談した際、「まだ必要ない」と言われるケースがあります。この判断には明確な理由があり、適切な時期を見極めることが重要になります。
塗装工事は決して安価ではないため、本当に必要なタイミングで実施することが賢明です。どんなタイミングがまだ必要ではないのか解説していきます。
劣化症状が出ていない場合
外壁に明確な劣化症状が見られない状態では、塗装工事を急ぐ必要はありません。新築から5年程度の建物であれば、塗膜の保護機能が十分に維持されていることが一般的です。そのため、チョーキング現象やひび割れ、塗膜の剥がれといった劣化サインが確認できない場合は、塗装時期としては早すぎると判断されます。
外壁材の種類にもよりますが、サイディングボードやモルタル壁であれば、新築から10年前後が最初の塗装時期の目安となるでしょう。ただし、劣化症状がなくても定期的な点検は必要です。
ただし目に見えない部分で劣化が進行している可能性もあるため、専門業者による診断を受けることをお勧めします。特に北側や日陰になる部分は、湿気による劣化が進みやすいため注意しておくべきです。
定期点検をしていない場合
定期的な点検を実施していない住宅では、外壁の状態を正確に把握できていないことがあります。このような場合、まずは専門家による診断を受けることが優先されるでしょう。
外壁の劣化は徐々に進行するため、定期点検を行わなければ適切な塗装時期を見逃してしまう恐れがあります。年に一度は自分で外壁をチェックし、3年から5年に一度は専門業者に診断を依頼することが推奨されます。点検では、チョーキング現象の有無やひび割れの状態、コーキング材の劣化具合などを確認します。
定期点検を怠ると、小さな劣化を見逃して大規模な修繕を要することもあります。早期発見・早期対応により、結果的に工事費用を抑えることができるのです。
悪質業者に契約を急がせている場合
一方で、「今すぐ塗装しないと大変なことになる」と契約を急がせる業者には要注意です。このような業者の多くは、不安を煽って高額な契約を結ばせようとする悪質なケースが少なくありません。
信頼できる業者であれば、現状の劣化状況を丁寧に説明し、適切な工事時期を提案してくれるはずです。極端に安い見積もりや大幅な値引きを提示する業者も、手抜き工事のリスクがあるため警戒する必要があるでしょう。複数の業者から見積もりを取り、診断内容や提案内容を比較検討することが大切になります。
一社だけの意見で判断しないことで、より客観的な判断が可能です。消費者センターや建築士会などの第三者機関に相談することも有効な手段となるでしょう。
外壁塗装をするメリット5選!
外壁塗装は単なる美観の維持だけでなく、住まいを長期的に保護する重要な役割を担っています。
適切な時期に塗装を行うことで、建物全体の寿命を延ばし、快適な住環境を維持することが可能です。ここでは、外壁塗装を実施することで得られる具体的なメリットを5つご紹介します。
①美しい外観になる
外壁塗装の最も分かりやすいメリットは、住まいの外観が美しく生まれ変わることです。経年劣化によって色褪せや汚れが目立っていた外壁が、新築のような美しさを取り戻します。
色の選択肢も豊富にあるため、現在の外観を一新することも可能になります。周辺環境との調和を考えながら、お好みの色を選ぶことで住まいへの愛着も増すでしょう。
美しい外観は、ご家族の生活に対する満足度を高めるだけでなく、近隣からの印象も良くなります。塗装によって外壁の汚れやカビ、苔などが除去されるため、清潔感のある外観になるのです。
②劣化の進行を遅くする
外壁塗装には、建物の劣化スピードを大幅に抑える効果があります。塗膜が外壁材を保護することで、紫外線や雨水による直接的なダメージを防ぐことができるのです。
特に紫外線は外壁材を徐々に劣化させる大きな要因になります。塗装によって紫外線をブロックすることで、外壁材本体の劣化を最小限に抑えることが可能です。
雨水の浸入を防ぐことも重要な役割になります。定期的な塗装メンテナンスによって、外壁材の交換という大規模な工事を避けられることもメリットといえるでしょう。
③住まいの寿命が延びる
適切な外壁塗装は、建物全体の寿命を大きく延ばす効果があります。外壁は住まいを風雨から守る最初の防御ラインであり、その機能を維持することが建物の長寿命化につながるのです。
外壁からの雨水浸入を防ぐことで、構造材の腐食やカビの発生を抑制できます。特に木造住宅では、構造材の劣化が建物の強度に直結するため、防水性能の維持は極めて重要になるでしょう。
定期的な塗装メンテナンスを行っている住宅と、放置している住宅では、30年後の状態に大きな差が生まれます。メンテナンスをしっかり行った住宅は、築年数以上に良好な状態を保つことができるのです。
④様々な機能を付加できる
現代の外壁塗料には、美観や保護機能以外にも多様な機能が付加されています。遮熱塗料を使用すれば、夏場の室内温度上昇を抑え、冷房費の削減につながるでしょう。
断熱塗料は外気温の影響を受けにくくし、冬場の暖房効率も向上させます。外壁塗装は、年間を通じて快適な室内環境を維持しながら、エネルギーコストを削減できる優れた選択肢といえるのです。
防カビ・防藻機能を持つ塗料を選べば、湿気の多い環境でも外壁の美観を長期間維持できます。近年は汚れにくい塗料も開発されており、雨水で汚れが自然に流れ落ちるセルフクリーニング機能を持つような高性能な製品もあります。
⑤資産価値の低下を防ぐ
外壁塗装は住宅の資産価値を維持する重要な要素になります。適切にメンテナンスされた住宅は、将来の売却時にも高い評価を得られる可能性が高まるでしょう。
外観の美しさは、物件の第一印象を大きく左右します。購入希望者が内覧に訪れた際、外壁の状態が良好であれば、建物全体への信頼感も高まるのです。
定期的な塗装記録が残っていれば、計画的にメンテナンスされてきた証明になります。これは購入者にとって安心材料となり、価格交渉においても有利に働くでしょう。
外壁塗装をしなかった時のデメリットとは?
外壁塗装を適切な時期に行わず放置すると、様々な問題が発生する可能性があります。初期段階では小さな劣化でも、放置することで深刻なダメージに発展していくのです。
ここでは、外壁塗装を怠った場合に起こり得る主なデメリットについて詳しく解説します。
雨漏りが発生する
外壁の劣化が進行すると、最も深刻な問題として雨漏りが発生する可能性があります。ひび割れやコーキング材の劣化から雨水が侵入し、内部構造にダメージを与えるのです。
雨漏りは外壁だけでなく、屋根との取り合い部分や窓周りなど、防水性能が低下した箇所から発生します。一度雨漏りが始まると、内部の構造材が腐食し、修繕費用が大幅に増加してしまうでしょう。
室内への雨漏りが発生する前に、壁内部で水分が蓄積されていることも少なくありません。壁内部に水分が侵入すると、断熱材の性能も低下し、カビの発生リスクも高まってしまいます。
爆裂現象による劣化が起こる
外壁塗装を放置すると、爆裂現象と呼ばれる深刻な劣化が発生することがあります。爆裂現象とは、コンクリートやモルタル壁の内部にある鉄筋が錆びて膨張し、表面のコンクリートを押し出す現象です。
ひび割れから雨水が侵入すると、内部の鉄筋が錆び始めます。鉄は錆びると体積が約2.5倍に膨張するため、周囲のコンクリートに大きな圧力がかかるのです。
爆裂現象が発生すると、外壁の一部が剥落する危険性があります。進行すると鉄筋の腐食が進み、建物の構造強度が低下するおそれもあるため注意が必要です。
修繕費用の負担が大きくなる
外壁塗装を適切な時期に実施せず放置すると、最終的な修繕費用が大幅に増加してしまいます。小さな劣化のうちに対処すれば低コストで済むものも、放置することで大規模な工事が必要になってしまうのです。
表面的な塗装だけで済む段階を過ぎると、外壁材自体の交換が必要になることもあります。サイディングボードの張り替えや、モルタル壁の打ち直しなどは、塗装の数倍のコストがかかるでしょう。
定期的な塗装メンテナンスにかかる費用は、長期的に見れば大規模修繕費用よりもはるかに経済的です。10年に一度の塗装を行うことで、30年後、40年後の大きな出費を避けることができると考えると良いでしょう。
外壁塗装工事の費用相場を解説!
外壁塗装工事の費用は、住宅の規模や使用する塗料のグレードによって大きく変動します。一般的な30坪前後の戸建て住宅の場合、費用相場はおよそ50万円~150万円(税込)程度となることが多いでしょう。
費用の内訳としては、足場代が全体の約20%、高圧洗浄や下地処理などの準備作業が約10%、塗料と塗装作業が約50%、その他諸経費が約20%という割合となることが多いです。
塗料にはアクリル、ウレタン、シリコン、フッ素などの種類があり、耐用年数も異なります。多くの住宅ではシリコン塗料が選ばれており、コストと性能のバランスが優れています。
塗装の耐用年数は10年~15年程度とされていますが、外壁の状態や環境に応じて異なります。また、高性能の塗料を選ぶことでより長持ちさせられる可能性もあります。
外壁塗装工事後に確認すべきこととは?
外壁塗装工事が完了した後にも、いくつかの重要な確認事項があります。工事の品質を保証し、長期的な安心を得るためには、これらのポイントをしっかりチェックすることが必要です。適切な確認を行うことで、将来的なトラブルを未然に防ぐことができるでしょう。
塗料ごとの耐用年数の確認
塗装後は、使用された塗料の種類と耐用年数を明確に確認しておくことが重要になります。業者から提供される報告書や保証書に、塗料のメーカー名と商品名、期待される耐用年数が記載されているかチェックしましょう。
塗料のグレードによって次回の塗装時期が大きく変わるため、メンテナンス計画を立てる上で重要な情報です。シリコン塗料であれば10年から15年、フッ素塗料なら15年から20年が目安となります。
定期点検のスケジュールも、塗料の耐久年数を基準に決めることができます。耐用年数の半分程度が経過した時点で、一度専門家による点検を受けることが推奨されています。
保証内容確認
外壁塗装工事の保証期間や保証範囲、保証の条件などを明確に把握しておくことは必須といえます。一般的な保証期間は施工業者の保証は3年~5年、塗料メーカーの保証が5年~10年程度となっています。ただし、保証対象となる劣化の種類や範囲は業者によって異なるため、契約前にしっかり確認することが大切です。
保証書には具体的な保証内容が記載されているはずです。塗膜の剥がれや変色、ひび割れなど、どのような症状が保証対象になるのかを理解しておきましょう。
アフターサポートの確認
工事完了後のアフターサポート体制について確認しておくことも大切です。定期点検の有無や、メンテナンスに関する相談窓口があるかなど、継続的なサポート内容を把握しておきましょう。
優良な業者であれば、工事後も定期的に連絡をくれたり、無料点検を実施してくれたりすることもあります。このようなアフターフォローは、建物を長期的に良好な状態に保つために大変有効です。
軽微な補修や相談に無料で対応してくれるかどうかも重要なポイントになります。小さな不具合を早期に発見し対処することで、大きなトラブルを防ぐことができるでしょう。
外壁塗装工事は何日かかるのか?工程を解説!
外壁塗装工事の工期は、一般的な30坪程度の戸建て住宅で10日間~14日間程度が目安となります。
ただし、天候や建物の状態によって変動することも理解しておきましょう。各工程には適切な乾燥時間が必要なため、簡単に短縮することはできません。
足場の組み立て
外壁塗装工事の最初の工程は、足場の組み立てになります。作業員の安全を確保し、作業効率を高めるために欠かせない工程で、一般的に1日で完了します。
足場は建物の周囲を囲むように設置され、高所での作業を安全に行えるようにします。養生シートは塗料の飛散を防ぐだけでなく、作業中の騒音を軽減する効果もあるのです。足場の組み立て中は金属音が発生するため、事前に近隣への挨拶が行われる業者であればより安心して任せることができます。
コーキング作業
コーキング作業は、サイディングボードの継ぎ目やサッシ周りの防水処理を行う重要な工程です。既存のコーキング材を撤去し、新しいコーキング材を充填する作業で、1日~2日程度かかります。
古いコーキング材は経年劣化により硬化や剥離が起きているため、しっかりと除去することが必要です。この下地処理を怠ると、新しいコーキング材の密着性が低下しかねません。
窓周りやドア周りのコーキングは特に重要です。ここからの雨水浸入は雨漏りに直結するため、丁寧な施工が求められるのです。
高圧洗浄での下地処理
高圧洗浄は外壁の汚れやカビ、古い塗膜を除去する重要な工程です。強力な水圧で外壁表面を洗浄し、塗料の密着性を高めるための下地を作ります。
この作業には1日~2日程度が必要になるでしょう。高圧洗浄を丁寧に行うことで、新しい塗膜の密着性が大きく向上します。汚れやカビが残っていると、塗料が剥がれやすくなったり、耐用性が低下したりする原因になるのです。
洗浄後は外壁を完全に乾燥させる必要があります。湿気が残った状態で塗装すると、塗膜内に水分が閉じ込められ、膨れや剥がれの原因となってしまうためです。
下塗り・中塗り・上塗りの工程
塗装工程は下塗り、中塗り、上塗りの3回塗りが基本となります。それぞれの工程で十分な乾燥時間を確保する必要があり、合計で5日~7日程度かかることが一般的です。
下塗りは外壁材と上塗り塗料の密着性を高めるための重要な工程です。シーラーやプライマーと呼ばれる下塗り材を使用し、外壁の吸い込みを調整します。
中塗りと上塗りには同じ塗料が使用されることが多く、この2回の塗装で塗膜の厚みを確保するのです。十分な膜厚がないと、期待される耐久性や保護機能が得られません。
付帯部の塗装
付帯部とは、雨樋や破風板、軒天、雨戸など外壁以外の部分を指します。これらの部分も劣化が進むため、外壁と同時に塗装を行うことが推奨されています。
付帯部の塗装には1日~2日程度かかることが一般的です。細かい部分が多く、丁寧な作業が必要となるため、時間をかけて慎重に行われます。
雨樋は紫外線や雨水の影響を受けやすく、劣化が進みやすい箇所になります。塗装により保護することで、交換の時期を延ばすことができるのです。
足場の解体
全ての塗装作業が完了し、塗膜が十分に硬化したら足場の解体作業に入ります。この工程には1日程度かかり、養生シートの撤去から足場材の解体、清掃までが含まれます。
足場解体前には、施主立ち会いのもと最終確認が行われることが一般的です。塗り残しや不具合がないかをチェックし、問題があれば手直しが行うよう依頼しましょう。
解体作業中も足場材の落下を防ぐため、安全対策が徹底されます。足場解体後は、敷地内に残った資材や廃材の片付けが行われ、塗装工事が完了となります。
宇都宮市の外壁塗装の事例を紹介!
実際の施工事例を見ることで、外壁塗装の効果や仕上がりをより具体的にイメージできます。
ここからは、「住まいる工務店」で実際に行った宇都宮市で実施された外壁塗装工事の事例を2つご紹介します。
宇都宮市のS様邸の外装リフォーム工事
施主様に塗装後のイメージが伝わりやすいよう、イメージCGの作成、塗りサンプルなどをご用意・ご提案し外装リフォーム工事を行いました。
最も耐久性の長い塗料を使用することで、愛着のある自宅に長く住み続けられるのはもちろん、資産価値の向上にも繋がっております。
工事完了後、S様からは「自分好みに仕上がり満足しています。また、艶も控え目になっていて品が良く見えますね。」との感想をいただきました。
外装塗装で美観を保ち劣化から家を守った事例
宇都宮市内の築20年を超える住宅では、外壁のひび割れとコ-キングの劣化が見られる状態でした。
現地調査でコーキング工事の重要性についてお話ししたほか、費用を抑えながらも耐用年数の長い塗料を使用することで、長い目で見た時に安全にお住まいいただけるよう提案しております。
塗装後は、白を基調とし、雨樋(あまとい)や破風板(はふいた)のこげ茶とのメリハリがある仕上がりとなり、施主様にも大変ご満足いただけました。
この事例で示しているのは、劣化の兆候を早期に発見し、適切に対処することの重要性です。放置していれば大規模な修繕が必要になったかもしれない状況を、塗装工事で解決できた成功例ともいえます。
宇都宮市で外壁塗装なら住まいる工務店へ!
外壁塗装の必要性は、単なる美観の維持だけでなく、建物の寿命を延ばし資産価値を保つために欠かせません。
劣化症状の早期発見と適切なタイミングでの塗装により、将来的な大規模修繕を避けることができます。信頼できる業者選びと定期的なメンテナンスが、長期的に住まいを守る鍵となるでしょう。
宇都宮市で外壁塗装をお考えなら、地域密着型の「住まいる工務店」にお任せください。住まいる工務店は栃木県宇都宮市を中心に、外壁塗装・屋根塗装・リフォーム工事を手がける総合リフォーム会社です。
お客様との信頼関係を大切にし、ご要望に寄り添った提案を心がけています。明朗な見積もりと充実したアフターフォロー体制で、工事完了後も安心してお任せください。
施工実績も豊富で、宇都宮市内での多くの事例をホームページでご覧いただけます。外壁塗装に関するご相談やお見積もりは無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。