近年、電気代やガス代などの光熱費の高騰が続いており、多くの家庭で家計への負担が大きくなっています。また、地球温暖化対策として環境に配慮した生活が求められる中、住宅の省エネ化に関心が高まっています。

そこで注目されているのが「省エネリフォーム」です。この記事では、リフォームを検討されている方に向けて、省エネリフォームとは何か、その種類や費用相場、メリットや注意点、さらには利用できる補助金や控除制度について詳しく解説します。

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省エネリフォームとは?

省エネリフォームとは、住宅の断熱性能を高めたり、エネルギー効率の良い設備を導入したりするリフォームのことです。具体的には、窓や壁、床などの断熱改修、遮熱対策、高効率な給湯器やエアコンの設置、太陽光発電システムの導入などが挙げられます。

このようなリフォームを行うことで、住宅のエネルギー消費量を減らし、光熱費の削減につなげることができます。また、室内の温度差が緩和されることで、ヒートショックのリスクが低減するなど、健康面でのメリットも期待できます。

さらに、住宅からのCO2排出量を削減することで、地球温暖化防止にも貢献できるという環境面での効果も大きいのが省エネリフォームの特徴です。

省エネリフォームの主な種類

省エネリフォームには、大きく分けて「断熱」「日射遮蔽」「高効率設備」「自家発電」の4つの種類があります。それぞれの特徴と効果について詳しく見ていきましょう。

断熱

断熱リフォームは、住宅の断熱性能を高めるためのリフォームです。窓ガラスを複層ガラスや真空ガラスに交換したり、壁や床、天井に断熱材を入れ直したりすることで、室内の熱の出入りを抑えます

特に日本の住宅は欧米諸国と比べて断熱性能が低いと言われており、冬は室内の熱が外に逃げやすく、夏は外の熱が室内に入りやすい状態になっています。そのため、断熱リフォームを行うことで冷暖房効率が大幅に向上し、光熱費の削減につながります。

また、室内の温度ムラが解消されることで、ヒートショックのリスクが低減するなど、健康面でのメリットも大きいのが断熱リフォームの特徴です。特に高齢者がいる家庭では、健康寿命を延ばす効果も期待できます。

日射遮蔽

日射遮蔽とは、夏の強い日差しを遮ることで室内の温度上昇を抑える対策です。具体的には、庇(ひさし)やルーバー、すだれなどの設置、遮熱フィルムの貼付、遮熱塗料の塗布などがあります。

特に南向きの窓からは夏場に多くの熱が室内に入ってくるため、これらの対策を施すことで冷房効率が向上し、電気代の削減につながります。また、紫外線をカットする効果もあるため、家具や床の日焼けを防ぐこともできます。一方で、冬場は太陽光の熱を取り入れたい場合もあるため、季節に応じて調整できる対策(例えば、すだれや電動シャッターなど)を選ぶのも一つの方法です。

高効率設備

高効率設備の導入も省エネリフォームの重要な選択肢です。具体的には、高効率給湯器(エコキュート、エネファーム等)、高効率エアコン、LED照明、節水型トイレなどが挙げられます。

例えば、従来型の給湯器をエコキュートに変更すると、約30%程度の光熱費削減が期待できます。また、古いエアコンを最新の省エネタイプに交換することで、電気代を大幅に削減できるケースが多いです。これらの設備は初期投資が必要ですが、長期的に見れば光熱費の削減によって投資回収が可能です。

また、最新の設備は快適性や利便性も向上しているため、生活の質の向上にもつながります。

自家発電

自家発電システムの導入も省エネリフォームの一つです。主に太陽光発電システムや家庭用燃料電池(エネファーム)などがあります。太陽光発電システムは、屋根に太陽光パネルを設置して電気を作り出すシステムです。発電した電気は自宅で使用し、余った電気は電力会社に売ることも可能です。近年は設置コストが下がってきており、導入しやすくなっています。

また、家庭用燃料電池(エネファーム)は、ガスから電気と熱を作り出すシステムで、発電時の熱も給湯に利用できるため、エネルギー効率が非常に高いのが特徴です。これらの自家発電システムを導入することで、外部からの電力購入量を減らし、電気代の削減につなげることができます。また、災害時の非常用電源としても活用できるため、防災面でのメリットもあります。

省エネリフォームの費用相場

省エネリフォームの費用は、リフォームの種類や規模、住宅の状態によって大きく異なります。ここでは、一般的な費用相場を紹介します。

まず、窓の断熱リフォームの場合、単板ガラスから複層ガラスへの交換で1窓あたり5万円~15万円程度、内窓(二重窓)の設置で1窓あたり6万円~20万円程度が相場です。住宅全体の窓を交換する場合は、100万円前後かかることも珍しくありません。

壁や床、天井の断熱リフォームは、工事の範囲や方法によって費用が大きく変わります。部分的な断熱改修で30万円~50万円程度、住宅全体の断熱改修では100万円~300万円程度かかることが一般的です。

高効率給湯器への交換は、エコキュートで40万円~60万円程度、エネファームで100万円~150万円程度が相場です。設置工事や既存設備の撤去費用も含まれています。

太陽光発電システムの導入は、容量や設置条件によって異なりますが、4kWシステム(一般的な家庭用)で100万円~150万円程度が相場です。蓄電池を併設する場合は、さらに100万円~200万円程度追加されます。

このように、省エネリフォームは初期投資が必要ですが、光熱費の削減や補助金の活用によって、長期的には投資回収が可能です。また、住宅の資産価値向上や快適性の向上など、金銭的な面以外のメリットも大きいことを考慮する必要があります。

省エネリフォームを行う3つのメリット

省エネリフォームは、住まいの快適性向上と同時に経済的・環境的なメリットをもたらす重要な選択肢です。適切な省エネ対策を講じることで、日々の生活コストの削減だけでなく、家族の健康増進や地球環境への貢献など、多角的な恩恵を得ることができます。以下では、特に注目すべき3つの大きなメリットについて詳しく見ていきましょう。

①水道光熱費を節約できる

省エネリフォームの最も大きなメリットは、光熱費の削減効果です。例えば、断熱性能を高めることで冷暖房効率が向上し、電気代やガス代を20%~30%程度削減できるケースが多いです。

高効率給湯器への交換で給湯にかかるエネルギーコストを30%程度削減、LED照明への交換で照明の電気代を50%~80%削減するなど、設備によっても大きな節約効果が期待できます。

太陽光発電システムを導入すれば、電気代をさらに大幅に削減することが可能です。初期投資は必要ですが、長期的に見れば投資回収ができ、その後は実質的に無料の電気を使うことができます

②健康増進の効果が見込める

省エネリフォーム、特に断熱改修には健康面でのメリットも大きいです。日本の住宅は「ヒートショック」と呼ばれる、急激な温度変化による健康リスクが問題視されています

断熱性能を高めることで室内の温度差が緩和され、ヒートショックのリスクが低減します。特に高齢者がいる家庭では重要な対策となります。また、結露の発生を抑えることでカビやダニの発生を防ぎ、アレルギー症状やぜんそくの改善にもつながります。

さらに、室内環境が快適になることでストレスが軽減され、睡眠の質が向上するなど、日々の生活の質を高める効果も期待できます。省エネリフォームは、単なるコスト削減だけでなく、家族の健康を守るための投資と考えることもできるでしょう。

③環境に配慮でき、地球温暖化の防止に貢献できる

省エネリフォームは、地球環境保護にも貢献します。住宅のエネルギー消費量を減らすことで、CO2排出量を削減し、地球温暖化防止に貢献できます。

一般的な住宅の断熱リフォームでは、年間のCO2排出量を1トン前後削減できるといわれています。これは、乗用車で約4,000kmの走行に相当するCO2量です。太陽光発電システムを導入すれば、さらに大きなCO2削減効果が期待できます。

環境問題への関心が高まる中、自分の住まいを通じて環境保護に貢献できることは、大きな満足感や社会的責任を果たす喜びにつながるでしょう。また、将来的には環境性能の高い住宅が資産価値としても評価される傾向が強まっています。

省エネリフォームを行う5つの注意点

省エネリフォームには多くのメリットがありますが、いくつかの注意点もあります。ここでは5つの重要な注意点を紹介します。

①リフォーム費用がかかる

省エネリフォームの最大の注意点は、初期投資が必要なことです。断熱リフォームや高効率設備の導入には、相応の費用がかかります。

例えば、住宅全体の断熱リフォームには100万円以上、太陽光発電システムの導入にも100万円以上の費用がかかることが一般的です。そのため、長期的な視点での投資回収計画を立てることが重要です。

後述する補助金や控除制度を上手に活用することで、初期費用の負担を軽減できる場合もあります。複数の見積もりを取り、コストパフォーマンスを比較検討することも大切です。

②マンションの場合はリフォームを自由に行えない可能性がある

マンションでの省エネリフォームは、戸建て住宅と比べて制約が多い点に注意が必要です。マンションの場合、共用部分(外壁、屋根、バルコニーなど)は管理組合の承認が必要で、場合によっては改修が認められないこともあります。

例えば、外壁の断熱改修や窓の交換、エアコンの室外機設置場所の変更など、見た目や構造に関わる改修は制限されることが多いです。また、専有部分であっても、配管や給排気など共用部分に関わる工事には承認が必要な場合があります。

マンションで省エネリフォームを検討する際は、事前に管理規約を確認し、必要に応じて管理組合や管理会社に相談することが重です。内窓の設置やLED照明への交換など、専有部分内で完結する改修から始めるのも一つの方法です。

③不具合があるか事前にチェックし併せて修繕する

省エネリフォームを行う前に、住宅の現状をしっかりと点検し、既存の不具合がないかチェックすることが重要です。雨漏りや結露による腐食、シロアリ被害などの問題がある場合は、先にそれらを修繕するべきです。

例えば、壁や床に断熱材を入れる場合、既存の壁や床を解体することになります。その際に、隠れた劣化や不具合が見つかることもあります。計画段階でしっかりと点検し、必要な修繕も含めた予算を組んでおくことで、工事中の予想外の出費を防ぐことができます

また、断熱リフォームと併せて耐震補強を行ったり、バリアフリー化をしたりすることで、総合的な住宅の性能向上につなげることも検討するとよいでしょう。一度の工事で複数の目的を達成することで、工事の効率化やコスト削減が期待できます。

④悪質な業者がいる

残念ながら、リフォーム業界には一部悪質な業者も存在します。過大な工事を勧めたり、不必要な設備の導入を勧めたり、工事の質が低いにも関わらず高額な費用を請求したりする業者には注意が必要です。

特に、「今だけ特別価格」「補助金が使えるのは今だけ」などと急かしたり、詳細な見積もりを出さずに契約を急がせたりする業者には警戒が必要です。また、工事内容や使用する材料について具体的な説明ができない業者も避けるべきでしょう。

悪質な業者に騙されないためには、複数の業者から見積もりを取り、内容や価格を比較することが重要です。また、実績や口コミ、保証内容なども確認し、信頼できる業者を選ぶことが大切です。

⑤業者選びは慎重に行わなければならない

省エネリフォームの成功は、業者選びにかかっているといっても過言ではありません。適切な提案ができ、質の高い工事を行える業者を選ぶことが重要です。

良い業者を選ぶポイントとしては、

①省エネリフォームの実績や専門知識があること

②具体的な省エネ効果のシミュレーションができること

③アフターフォロー体制が整っていること

④補助金や控除制度に関する知識があり、申請のサポートをしてくれること

などが挙げられます。

信頼できる業者を見つけるためには、知人の紹介や口コミサイトの評判を参考にしたり、複数の業者に相談して比較したりすることが大切です。また、省エネ関連の認定や資格を持つ業者を選ぶのも一つの基準になります。

省エネリフォームに関連する補助金や控除制度

省エネリフォームを行う際には、様々な補助金や控除制度を活用することで、費用負担を軽減することができます。ここでは主な制度について紹介します。

こちらの記事もご覧ください。
2025年リフォーム補助金はいつから?補助金を活用するメリットや準備を解説

住宅省エネ2025キャンペーン

住宅省エネ2025キャンペーンは、国が推進する住宅の省エネ化に向けた総合的な支援制度です。2025年度までの時限的な措置として、省エネリフォームに対する補助金が用意されています。

具体的には、断熱リフォームや高効率給湯器、太陽光発電システムなどの導入に対して、工事内容に応じた補助金が受け取れます。例えば、断熱リフォームでは最大100万円、太陽光発電システムの導入では最大35万円の補助金が受け取れる場合があります。

補助金を受けるには、一定の省エネ性能基準を満たす必要があり、事前に登録された事業者による工事であることなどの条件があります。工事前に申請する必要があるため、リフォームを検討する際は早めに情報収集することをおすすめします。

住宅ローン減税

住宅ローン減税は、住宅ローンを利用してリフォームを行った場合に、所得税から一定額を控除できる制度です。省エネリフォームも対象となります。

この制度を利用するには、省エネ改修工事を含むリフォームの費用が100万円以上であること、住宅ローンの返済期間が10年以上であることなどの条件があります。控除額は、ローン残高の0.7%で、最大控除額は年間12.5万円、控除期間は最大13年間となっています。

つまり、条件を満たせば最大162.5万円の税金が還付される可能性があります。ただし、所得や他の控除との兼ね合いによって実際の控除額は変わってくるため、詳細は税理士や金融機関に相談することをおすすめします。

リフォーム促進税制

リフォーム促進税制は、省エネ改修工事を行った場合に、所得税の特別控除を受けられる制度です。住宅ローンを利用しない場合でも適用できる点が住宅ローン減税と異なります。

この制度では、一定の省エネ改修工事を行った場合、その費用の10%相当額(上限25万円)が所得税から控除されます。太陽光発電システムの設置を行った場合は、さらに最大35万円が控除されます。

つまり、最大で60万円の税額控除を受けることができます。ただし、控除を受けるためには一定の要件を満たす必要があり、確定申告が必要となります。また、この制度は2024年末までの時限措置となっているため、最新情報の確認が重要です。

省エネリフォームの施工事例

ここでは、株式会社住まいる工務店が手がけた省エネリフォームの施工事例をいくつか紹介します。実際の事例を見ることで、ご自宅のリフォームのイメージが湧きやすくなるでしょう。

まず一つ目の事例は、築25年のマンションのフルリフォームです。


この住宅では、単板ガラスの窓を複層ガラスに交換し、さらに一部の窓には内窓を設置しました。工事費用は約80万円でしたが、冬場の暖房費が約25%削減され、結露の発生も大幅に減少
しました。住人の方からは「寒さが和らぎ、朝起きるのが辛くなくなった」という声が聞かれています。

二つ目の事例は、太陽熱の侵入を防ぐガラスを貼ったことです。

遮熱機能を持ったガラスを使用することで、太陽の熱を室内への侵入を少なくすることが出来ました。2枚のガラスの間に特殊な金属膜のコーディングを施した遮熱ガラスを使用することで、日射光が室内に侵入するのを50%遮断することができました

詳しくは、こちらの記事もご覧ください。
遮熱ガラスで外からの熱をカット

株式会社住まいる工務店では、これらの事例のように、お客様の生活スタイルや予算に合わせた省エネリフォームの提案を行っています。省エネ効果のシミュレーションも実施しており、リフォーム後のランニングコスト削減効果も事前に把握することができます。

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省エネリフォームなら株式会社住まいる工務店へ

株式会社住まいる工務店は、栃木県宇都宮市を中心に30年以上の実績を持つ省エネリフォームの専門家です。断熱改修、高効率設備導入など、お客様のニーズに合わせた最適な省エネ提案を行っています。

専門知識を持つスタッフが丁寧に対応し、補助金・控除制度の申請サポートも万全です。無料の現地調査と見積もりを実施しており、リフォーム後のアフターフォローも充実しています。快適で健康的な住環境を実現するために、ぜひ住まいる工務店にご相談ください。お電話やホームページからのお問い合わせをお待ちしております。

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