本格的な高齢化社会を迎えた現代は、高齢者への配慮がますます重要になってきています。これは住まいでも同じことが言えます。若い人は、なかなか気付きにくいものですが、階段やトイレ、浴室への導線など、高齢者にとっては意外と苦労することもあります。また、室内で車椅子を使用する場合は、ちょっとした段差も不自由さを感じるものです。これらの不自由さや不便さを解消するのが高齢者対応(バリアフリー)リフォームです。

家の中の安全性・快適性チェック☑

  • □ 出入口や廊下などに段差がある
  • □ 出入り口、ドアの開閉がしづらい
  • □ トイレがどの居室からも離れている
  • □ 浴槽内が滑りやすく、室内外の温度差が大きい
  • □ 階段・廊下の幅が狭い、または傾斜が急である

段差・・・床の段差を解消することが大切

    ドアの下にある沓ずり(くつずり)や、床の高さが違う和室と洋室または廊下との境目などの小さな段差は、うっかりつまずいて転倒してしまいがちな所です。段差解消については、和室の床を下げて畳を同じ高さにするか、洋室や廊下の床を上げるかのいずれかを行ないます。なお、どうしても段差が解消できない場合には、床の仕上げ材を滑りにくい素材に替えたり照明で明るくするなど、段差を見やすい状態にすると良いでしょう。

出入り口・・・設置場所やスペースの確保を

    足腰が弱くなっていたり、車椅子を利用している場合、出入り口は引き戸にすると良いでしょう。なお、引き戸にできない場合も、ドアの取っ手を丸いノブではなく、レバー式のほうが開けるときの力が少なくてすむのでおすすめです。

トイレ・・・設置場所やスペースの確保を

    トイレは、高齢者の部屋の近くに設置するのが理想的です。横に収納スペースがあれば、それを撤去してスペースを広げておくと、車椅子でもスムーズに入ることができる上、介助が必要となった場合も対応することもできます。また、便器を片側の壁に近づけておき、手すりを設置するのも効果的なリフォームです。

浴室・・・安全と身体への負担を考慮

    出入り口の段差を解消して、浴槽のまたぎの高さを低めにすると、出入りを楽に行なうことができます。床タイルは滑りにくい物を選び、必要な場所には手すりを設置しましょう。また冬場は浴室と室内の寒暖の差が激しいと血圧が上がり、高齢者の身体に負担がかかってしまいますので、浴室、洗面脱衣室にはできるだけ暖房器具を取り付けるようにします。

階段・廊下・・・動線・安全を第一に

    階段は、できるだけ緩やかな傾斜とし、曲がっている部分には、段差のない踊り場をとるようにします。廊下については、幅が85cm以下だと車椅子での移動ができないため拡幅工事を行なう必要があります。安全性を考慮すると、居室スペースを多少犠牲にしてでも階段や廊下に配慮したいものです。

今すぐ完璧なリフォームをするのではなく将来の下準備を・・・

    大切なことは、今すぐバリアフリー商品や手すりを取り付けることではなく、将来の様々な状況に対応できるよう、下準備をしておくことです。例えば浴室のバリアフリーリフォームは、自宅で入るか、介護が必要か巡回入浴サービスを利用するかで工事内容と費用が異なります。そしてその状況は刻々と変化していきます。大事なことは、今すぐ完璧に整えようとするのではなく壁紙の張替えリフォームをするなら、将来手すりを取り付ける可能性がある壁面に補強下地を入れておく、フローリングリフォームをするならついでに段差も解消しておくなど、将来への準備を整えておくことです。下準備をシッカリしておけば、その時になってあわてることなく様々な状況に対応しやすい住まいになります。
    またバリアフリーリフォームは、減税や自治体による助成金、介護保険など様々な補助制度があります。最新の情報は住まいる工務店にお問い合わせ確認して下さい。